けんほう (俺の大空)
人間が好きやから、やっぱ人間描くのが楽しいですね
『ラブライブ!』で活動されている同人作家さんへインタビュー! 第8回目はサークル「俺の空」のけんほうさんです。
「りじとぱな」をはじめ、リアルな人間模様を描かれているけんほうさんに気になるあれやこれを聞きました!
ペンネーム・サークル名の由来
ペンネームの由来について伺いたいのですけど。
ボクシングが好きで。そこから取ってきました。
では「俺の大空」というサークル名についてなんですけども。
これはですね、えーと。西原理恵子さんて分かります?
『ぼくんち』とかの。
そうです。作家の清水義範っていう人との共著で『どう転んでも社会科』やったと思うんですけど(からすま註:「もっとどう転んでも社会科(P.147)」)。その挿絵で、西原さんと、鴨志田さんていう、旦那さんなんですけど。旦那さんが、ベトナムやったかフィリピンやったか旅行に行った時、バスに乗ってたら、前の席に座ってたカップルが、急に盛り出したらしくて。
え!?
そう(笑)。それを観た鴨志田さんが「これが夢にまで見た俺の空だ!」って訳の分からん事言って見物してたっていう漫画があって。そのエピソードが好きで、そこから取りました。で、「俺の空」やったら、あんまりにもあんまりもやから、ちょっと大空って付け足して、そんな感じですわ。
西原さんがお好きなんですか。
うーん、その共著でしか読んだ事無いんですけど。
あ、そうなんですか。
あ、でも「まあじゃんほうろうき」とかは好きです。ひらがなの方の「まあじゃんほうろうき」。
割と初期のほうですね。
だいぶ初期ですね。思い出した、総集編の『サイバラ茸1,2』も読みました。
好きな漫画
好きな漫画とか、好きな作家さんとかいらっしゃいますか。
辰巳ヨシヒロ先生が好きですね。「劇画」という言葉を開発した人で、「劇画」の元祖みたいな人なんですけど。当時の風俗とか世相とかを、ホンマに下の人からの目線で捉えているというか。何て言ったらいいのかな。ちょっとググって、ググったら多分作画とか出てくると思う、そんな感じなんですよ(笑)。上手く言えないんですけど。
(ググって)ああ、こういう。
僕が好きそうなカンジのヤツですわ(笑)。この方の「大発掘」と「大発見」っていう短編集は特に好きで。もう何回も読んでますね。
割と昔の作品ですね。
そうですね。結構昔ですね。
漫画は結構、お読みになられるんですか?
結構読む方やと思いますけどね。
他にはどんな作品を読まれますか?
けんほう『白竜』とか。ヤクザものの漫画なんですけど。あとは何やろう色々……『あしたのジョー』とか『デビルマン』、『リバースエッジ 大川端探偵社』とか。『めしばな刑事タチバナ』とか。その辺かな。
なんか、男っぽいというか。
そうですね。「油っぽい漫画好きやね」ってよく言われます。あと最近『捨てがたき人々』とか、あの辺かなあ。あと『バキ』も好きです。
『バキ」はどの辺が好きとか、あります?
何だかんだで全編通して好きですね『バキ』は。初期のも好きだし。
そのあたりの漫画の影響があるというのはなんとなくわかる気がします。
わかる気がします?(笑)そうですね、影響はみなすごい受けてますね。もうモロに受けてますね。
この人の影響を1番受けてるなあって作家さんっています?
まあ、辰巳ヨシヒロ先生じゃないですかね。あ、でもそれ抜きで、ホンマに面白い作家さんなんで、機会があったら是非是非読んでもらって。
好きな音楽
はい、じゃあ、趣味について伺っているのですが、好きな音楽、好きなミュージシャンなど。
元イエモンの吉井和哉さんが好きです。
吉井さんの、この曲とか、このアルバムいいよみたいなのとかあります?
まあ全部好きなんですけど、やっぱりあの、LOVINSON時代の『at the BLACK HOLE』っていうのが結構好きですね。あと、うーん、そうやなあ。「HEARTS」ていうシングルの曲とかも好きだし。
なるほど。他には。
あと、最近聴き始めてるんですけど、はっぴいえんどとか友川カズキとかその辺ですね。
イエモンから、割と遡りますね。
そうです。急に遡るけど。でも音楽、そこまでがっつりは聴かないですね。
どうして、と言うのも変なんですけど、どうしてはっぴいえんどなんですか?
はっぴいえんどはね……「しんしんしん」ていう映画があったんですよ。それが結構好きで。それで、その「しんしんしん」というのがはっぴいえんどの曲からインスピレーション受けたらしくて。そこから聴き始めましたね。
好きな小説
小説とか、読まれます?
小説もまあ、そんなに本自体読む方じゃないんですけど。ちょこちょこ、読みますね。
最近読んで面白かったものなど。
西村賢太の「苦役列車」っていうのが面白かったです。芥川賞も取ったみたいやけど。映画化もされてるんで。映画の方は、観たいなと思ってるけど、まだちょっと観れてなくて。近いうちに観る予定なんですけど。あと、あの人。「黄金の服」っていう本を書いた、えーと……佐藤泰志だ。佐藤泰志っていう人がすごい好きですね。
具体的に、どこが好きとかありますか。
そうですね、佐藤泰志も、基本的に悲しいっていうか。持っていない人たちの日常とかをすごい淡々と書く作家さんで。この人も80年代、90年代ぐらいに亡くなった方なんですけど。この人の話も今ちょこちょこ映画化されててすごい、そう、その方があの、再評価されてて、今映画化とかも今2本くらいやってて。今年もまた映画化されるんですけど、その作品もすごい良くて。
「持ってない人」。
そうですねえ、持ってない人ですね。失業中やったり、収入が低かったりする人らで。それでもまあ、普通に淡々とそういう人らを描いてるスケッチががすごい好きで。
なるほど。
後は、ノンフィクション作家の山際淳司さんとかが好きですね。スポーツノンフィクションとか書いてはる人で。
オススメとかあります?
オススメはねえ……、大全集みたいなのがあってそれをずっと読んでるんやけど「逃げろ、ボクサー」ってエピソードがいうが好きですね。
どういう話なんですか?
センスはあるんやけど、あんまり練習しなくて、スタミナがすぐ切れるボクサーの話なんですけど。でも試合運び、センスはものすごくあるから、スタミナが無くても無いなりに戦えて、判定にまでもつれ込んで勝つような感じの選手の話。それでも、一応に日本タイトルにも挑戦するんやけど、やっぱりそこで負けちゃう位の感じ。心理描写とかがすごい面白くて。何ていうか、スポーツ系にありがちに暑苦しくないです、淡々としてて。
ノンフィクションなんですね。
これはスポーツノンフィクションなんで、アレなんですけども。変な言い方したら、あまりボクシング熱心じゃない人の話なんです。どっちかというと、ボクシングよりか、ボクシングである程度知名度を上げて、それで後は他のビジネスに打って出よう、みたいな感じの人の話で。だから「俺は温室育ちのボクサーになりたいんだよ」って平気で言っちゃう感じの。そこが何かいいなあって思って。
なるほど。
そうですね、好きな作家さんは他にも色々いるけど、まあパッと思い付くのはその辺かな?
好きな映画
映画とか観られます?
映画もまあ、少しだけ観ます。そんなには観ないですけど。年にまあ行っても2~30本位しか、2~30本は観ないかな、20本位かな?それ位。
この映画好きとか、そういうのありますか?
ああ、えーとね、呉美保監督の、「そこのみにて光輝く」っていうのがすごい好きで。これがそのさっき言った、佐藤泰志原作の本なんですけど。映画館で観てホンマにこれは、すごい衝撃を受けましたね。
どの辺に衝撃を受けたんですか?
これの何て言ったらいいのかな? 多分あらすじ見たら分かると思うんですけど、仕事中に事故で同僚を亡くした、亡くしてそれで失望、ちょっと失望じゃないけど、現場に距離を置いて、失業した主人公と、寝たきりの父親を介護しながら、家族全員の面倒を見ているヒロインと、その弟の3人の話なんですけど。何て言ったらいいのか。とにかくねすごいセリフの量は少ないんやけど、もう表情とか、あるいは場面とか、音の表現とかで全部ちゃんと伝わってきて。やっぱ説明するのってセリフじゃないんやなって思って。それがすごい……よかったですね。
「恵まれてない人」。
そうですね。恵まれてない人ですね。
漫画はいつから
じゃあ、漫画の方に話をさせて頂きますけど。漫画は昔から描かれていた感じですか?
ちょこちょこ描いてましたね。まあずっと落書きばっかりやったんですけど、同人誌という形にして出したのは、何年前だろう、7~8年位前かな?
それはきっかけとかあったんですか?
いや、何となくやりたくて。面白そうやなと思って。そしたらズブズブにハマってもうて。
ズブズブ(笑)。
『ラブライブ!』
『ラブライブ!』とか「コミティア」とかで僕はお見かけしてますけど、以前はどちらのジャンルで?
えーと『けいおん!』ですね。
『けいおん!』でずっと描かれてきたんですか。
そうですね、『けいおん!』でやってて。そこで知り合った人達が「『ラブライブ!』いいよ!」って言ってて。観てみたら面白くて、ハマっちゃったって感じですね。
それはいつごろとか覚えていらっしゃいます?
多分2期が終わった後ですね。そやからネット配信のヤツでまとめて観たんですよ。1期も2期も。ずっと『けいおん!』やっててなんか。ツイッター見てたらTLが、「前回の『ラブライブ!』」って皆言い出して、何や!?ってちょっとビックリしてましたね。『ラブライブ!』って存在は知ってたんやけど、まあ観る事無いなって思ってたんです。まさかここまでハマるとはって感じですね。
何でハマったんでしょうかね?
やっぱり、会話が、流れが気持ちいいですからね。すごい、テンポ良くないですか? そのテンポの良さがあって。観てて苦痛じゃなかったんですよ。ポンポン入って来てて。観てたら面白い。キャラクターも魅力的やし。それでハマりましたね。
アニメで好きなエピソードとかありましたら。
うーん、2期の希ちゃんの回ですね。元々希ちゃんが好きやったんやけど、やっぱりそのエピソードで色んな事、μ’sを大切にしてるんかってのを分かったし。で、まさか絵里ちゃんと仲良くなる為に関西弁を使い出したってのは衝撃を受けたし。どんだけ人に影響され、どんだけ人に合わせて生きるねん、この娘!?とか思いながら観てて、そうそう。
ちょっと変わってるというか、不思議なエピソードですよね。
そうですね、まあ『ラブライブ!』自体が割と不思議な話ですけどね。映画とかもう滅茶苦茶だし。4回観たけど。
誰推しですか?
まあ、希ちゃんですね。
え!? そうなんですね。
そうですね。なんかビックリされること多いですけど(笑)。誰だと思っていました? 花陽ですか?
はい。
うーん、花陽も大好きですけどね。実はのんたんなんですよ。
好きなキャラクターと、漫画に描くのは同じではないですよね。
そう……ですね。でも希ちゃんも結構描いてると思うんですけどね。ただまあ、「りじぱな」にハマってもうたから、それでちょっと花陽をすごい描くの楽しくて。描かせて頂いてますね。
この「りじぱな」っていうのは変わったカップリングだなと思うんですけど。
ああ、え~とね、これ元々は『けいおん!』時代から相互フォローして頂いてるせんりやまさんって方が、なんか急に「りじぱな」が良いですよって言い出して。けっこう色んな人に話したらしいけど、僕が一番喰いついて。それでそこに妄想が出て来たっていう感じですね。
せんりやまさん経由なんですね。
そうですね。せんりやまさん経由ですね。そうまあ、エロいですからね「りじぱな」。
そんないかにも普通ですみたいな感じに「エロいですから」って言われても困っちゃうんですけど。
え?
あ、うそです。エロいですね。
そうですよね。
そうですね。大人だし。
だってあの、理事長っていったらもう、セックスが服着て歩いてる人みたいじゃないですか。もうエロさの塊でしょ、ビジュアルからして。ことりちゃんのお母さんだし。それとやっぱり、そういうのとは無縁そうな感じの花陽が、実は裏でよろしくやってるってすごい興奮しますね。思いません、何か?
そうですね(笑)。
そういう話をせんりやまさんに延々と聞かされて、僕すごい洗脳されたんすけど。
へー。なるほど。この、途中から真姫ちゃんが入ってくるじゃないですか。これもいいですね。
いいでしょう?(笑)いいですよね。いやあ、真姫パターンも好きなんですよ。
それは読んでると何か分かります。
まきぱなしか投稿しない時期ありますからね。
けんほうさんは、ベッドシーンとかも描かれますよね。
ありましたっけ?
あります。
うーん、ありますね(笑)。
サラッと描かれてて。
まあそういうのも好きなんで(笑)、描いちゃいますね。
ちょっと何ていうかこう……生々しいというか、生活感がある感じですね。
ああ、そうですね、生活感はちょっと意識はしてますね。さっき言った好きな作家さんとかも皆、大体生活感に溢れている作家さんやったんで、そういう影響も受けてると思いますわ。
漫画を描いていく上で、気を付けてるとことか、力入れてるとこってなんですか。
やっぱり、ちゃんとその人が生きてるって事ですかね。出来るだけやっぱり……リアリティ……うーん、まあ僕の漫画って、言ったらさっきも仰ってくれたとおり、やっぱりリアリティ命綱みたいな所あると思うんですよ。だからそこは疎かにしたらちょっとアレかなって。でまた自分が描きたいモノがやっぱりその「生きてる人達」なんで。うーん、そう。人間が好きやからやっぱ人間描くのが、楽しいですね。
人間が好きっていいですね。
まあ勿論嫌いなヤツも一杯居ますけどね(笑)。
そういえば「コミティア」で出されてた本は「人間」っていうタイトルでしたね。アレは人間模様みたいな意味かな、って思ったんですけど。
ああ、あれは奥田民生の「人間」っていう曲から取ってます。
ああ、そうなんですね。
そうそう。あの、元々「人間’10」っていうのが多分1番、2年前に出したヤツで。タイトルがどうしても思い付かなくて、ウンウン言ってて。そこで取りましたね。それでいくんやったら、毎年1本はそれでタイトルに困らへんなー思て。「人間’16」で来年になったら「人間’17」って感じで。タイトル付けるのホンマ苦手なんですよ。
端から見てるとバシッと毎回タイトル付けてるのかなと。
そうですかね?(笑)。自分の描いたモノのタイトルは、あんま覚えてないんですよね。何書いたかな?
「あかるいみらい」とか。
ああ「あかるいみらい」も映画から取ってますね。黒沢清監督の、『アカルイミライ』って映画があって、これがものすごい良くて。あんまり内容はそこまで映画に関係ないんですけど。でもまあ、アレ(漫画のほう)もまあ、明るい未来示唆して終わってる感じにまあ、出来てる……かどうかは自信無いですけど。まあ、やってるから、あんまり。分からへん。その辺は描いた本人が言う事じゃないと思うし。
タイトル付けるの苦手なんですね。
そうなんですよ。あんま、そうですね。苦手ですね。
もともと漫画描くのも苦手ですけどね。
そうなんですか? あ、そうだ。何で漫画を描こうと思ったんですか? 元々というか、きっかけみたいなのって。
うーん、まあ、落書きするのが好きで描いてて。どうせならその、漫画も描いてみたいなっていうのがきっかけですね。でも最初は4コマばっかりで。でその、いわゆる漫画っていうのを描き出したのがここ2、3年位かなあ。
それは『けいおん!』の?
そうですね。『けいおん!』きっかけやから、もうもっと前かな。4年以上、あ、でも『けいおん!』時代からも4コマばっかり、やっぱり普通に10ページ位の漫画を描き始めたのは2、3年位ですね。うん。あんまもう『けいおん!』覚えてないけど(笑)。
Pixivを拝見するとだいぶ描かれてる感じで。
そうですね、多分もう500件位投稿してるんちゃうかな? でも昔はツイッターにあんまり投稿しなくてPixivばっかり投稿してたから。昔は4コマ1本で、ポンとやってたり。それもあると思うんですけど。今はツイッターに描いたのをある程度まとめてるって感じですね。10ページ分くらいのを。
けんほうさんの4コマは1ページを横に4つ分割してて、横に広いですね。
そうですね。原稿用紙を、そうなんですよ。僕おおざっぱやからあんま細かいの描けんくて。
横に長いと顔を描いた後、横のスペ―ス埋めなきゃなって感じで、僕なんかは大変だなと思うんですけど。
そう、ああ、そうなんかな?
けんほうさんはそういう苦労は無さそうに見えます。
ああ、あんまり無いですね(笑)。むしろ横に色々描けるから、うーん、でも慣れちゃったからあんまり。
そんでこの、さっきせんりやまさんの話もしましたけど、さっき言った「あかるいみらい」も元々は……。りっつんさんって分かります? フォロワーの方が居てはってて、その人のツイートが元になったんですよ。それに僕がまた反応しちゃって。これめっちゃ面白いなあって思って。
じゃあ他の人と喋って、インスピレーションを受けるというか。これ面白い! って話を思いつく感じが多いですか?
そう……でも、影響受けて漫画描いたのは、多分この2人かな。だからこの2人には頭が上がらないですね(笑)。
『ラブライブ!』好きな曲
『ラブライブ!』の方に、話を戻しますけど。好きな曲とかあります?
好きな曲は……やっぱり、「僕たちはひとつの光」かな。映画で観て、まあ事実上多分、あの物語としてはアレだと思う。最後の曲やし、うーん、だから思い出強いですよね。曲自体もすごいですしね、やっぱり。
あの曲ちょっと悲しくなりません? 終わりだ……!って。
そうですね。まあ、悲しくはなりますね(笑)。でもまあ、あの娘達はあれからまた行くんで、大丈夫でしょう。
大丈夫ですかね?
大丈夫かどうかは分からへんけど(笑)。大丈夫じゃない漫画も描いてるから、あんま言えないですけど。
大変だ(笑)。
まあ、ねえ。でも、うーん、良い曲ですよ、やっぱり。
好きなカップリングってあります?
えーとねえ、まきぱなと、にこのぞですかね。まああと、まあ同人誌に描いたカップリングは皆好きですけど。基本的に嫌いなカップリングは無いです。皆美味しく見ます。『ラブライブ!』関連のカップリングやったら何でも好きですね。アルパカとかちょっとアレやけれど。
アルパカ(笑)。
アルパカ、とかはちょっと。うん(笑)。
そんなのあるんですか?
いや、分かんないですけど。ありそうじゃないですか?
まあ、ありそうですね。
中の人
声優さんとかは、興味あったりします?
声優さん……まあ、くっすんさんですかね。可愛いですね。けどあんまり熱心に追ってる方じゃないですね。
くっすんですか。
くっすんさん。可愛い。まあ皆好きですけど。くっすんさんなんか見てて楽しいですね。
特にくっすんということですね。
そうですね。
くっすん変ですよね(笑)。
変ですね。26歳児やったか。そう、新田さんとやってた、ラジオじゃないわ、あのニコ生?やったかで。あの映画前にやってた、何やったかな? ……面白かったのが……『のぞほの バラエティボックス』やったかな? 映画前にやってたヤツがすごい良かった。
くっすんのどこが好きですか。
変なところかなあ。でもまあその、どこが好きっていう所はまだ正直、あんま見てないんですけど。動いてるくっすん見て可愛いなくらいな感覚で。
アナログ? デジタル?
原稿は、アナログで描かれてらっしゃるんですか?
アナログですね。全部アナログで。
デジタルは、やらない感じですか?
やりたいんですけどね。移行がよく分からなくて。一応クリスタも持ってるんやけど、全然使ってないですね。多分使いだしたら、デジタルの方が楽なんやろうけど。なかなか腰が重くて。
じゃあそのうちパッと変わるかもしれないですね。
そうですね、もし機会があったら、もう一瞬で変わると思いますよ、絶対そっちの方が便利やし。
アナログだと描き終わった原稿が邪魔になったりしないですか?
邪魔ですね。
ですよね。
原稿って、何度も校正重ねたりするほうですか?
そうですね、セリフとかはオカシかったり……あ、このセリフ余計や!って削ったりは、よくありますね。
じゃあ、ネームから何回も直して原稿にって感じですか?
そうですね。ネームはもうバッとやって、それで原稿に描き起こしてそこから修正とかが多いですね。だから結構、セリフとか最後に回しちゃう事がありますね。絵描いて。
引っかからずに読めて、漫画上手いなあって感じするんで。
そうですね。パラパラって読めますから。そこまで情報量多い漫画描いてないんで。 パラパラっと読んでもらう感じで。
セリフのポンポンポンって繋がりというか、そういうのが自然かな、って感じがして。
リアリティじゃないですけど……実在感って実際、出したいなあって思って。そのような意識はしてますね。
リアリティを重要視されてるんですね。
そうですね、もしこれで僕の漫画で、もし何かあんま突拍子も無いことやったら、サムいでしょ?
そうですかね。
この、アレで(笑)。
絵柄でってことですか?
絵柄っていうか、もう基本的にやってるのが不倫とか、寝取られとか。あと何か、花陽がおにぎり屋さん経営したいとかやし。それで何か突拍子も無いことやっとったら、うーん。アレかな?って(笑)。まあ、仮に突拍子もない設定の漫画を描いても全部フィクションっぽくするんじゃなくてどこかありそうな感じにはするとは思います。
「あかるいみらい」の花陽ちゃん……なんか。
なんか……ねえ性格悪くなってますよね(笑)。
最初のほうは元気があって明るい感じ……。
そうですね(笑)。だんだん経営が苦しくなってね。で、最後八つ当たりしてますからね。
好きな人(真姫)に当たってしまう。
そうですね。真面目なことを言うのはちょっと恥ずかしいんですけど。僕描いてて、いつも『ラブライブ!』の娘達は、皆なにか性格悪くなるから。自分でも、こんなん描いててちょっと大丈夫かな?って思う時ありますね、基本『ラブライブ!』の娘達は皆ホンマに良い娘達やし。
性格悪くなるって……(笑)。そんな風に思って描かれてるとは。
実際正直、皆性格悪くなってません? っていうか、ズルくなってません? みんな(笑)。
そうですね。分かんないですけど。
でしょう。分かんない?
恋すると、ズルくなるもんなんじゃないですか?
知らんけど。
コミティアで出されてたのも、拝見して。けんほうさんは男女関係とかをさらりと、描いてる印象があるんですけど。話のモチーフにしても。
ああ、ありがとうございます。そうですね……まあ描いてる本人は全然モテないですけどね。モテたいですね、モテたいです。
そうなんですか?
うんまあ、そんな感じです。そう。そう……男女物多かったかな?
多くはないのかな。何か、印象に残ってて。
何かありましたっけ? 俺描いたのを……。今回のは全然、男女の仲無かった筈ですけど……。コミティアのヤツ。
えーと、風俗に行く話とか……。
ああ、それは多いですね(笑)。
多いですか?
いやあの、風俗に行く話、多いですよね(笑)。
はい、多い印象です。
そうですね、結構、それ、1番最初に描いたのが結構ウケが良くて。で、風俗描いとけばウケるかな?って思って。(笑)。
そういうことなんですか?
ウケたいから。
(笑)。
うん。まあ……ウケたいからってのは、アレですけど。
いや、どうなんですかね。
いや、別にいいですけど(笑)。いいですけど。ありがたいことに結構、評判はね面白かったよ、って言ってくれる人多いし。実際描くの結構楽しいんで。描いてるんですけど、風俗ものは。
前回のコミティアで出された「尿意有り」。あれは衝撃を受けました。表紙込みで。
アレは、そうですね(笑)。ちょっと意識的に変えようとしましたね。上手く作用してるかどうかは分からへんけど。
どういう風に、何を変えようとした感じなんですか?
やっぱり、ちょっとコメディ寄りにしようかなとは。全体的に暗い漫画多いから(笑)、ちょっと明るい感じにしようかな、って思って。明るい感じになってるかどうか分からへんけど。
うーん。
うーんですよ(笑)。最後結局喘いでるしね。
二次創作だけでなく、オリジナルの漫画も描かれていますが、読者からの反応とかって、あります?
やっぱ、『ラブライブ!』に比べたら無いですね。オリジナルは全体的に。だからいかに下駄を履かせて貰ってるかって事ですね、逆に言ったら。何だかんだ。ありがたい話で、フォローして頂く事も多いんですけど、やっぱり『ラブライブ!』効果は大変やと思いますよ。うん、自分の実力じゃないなとは思ってますよ。
『けいおん!』の頃に比べて増えたとか、変わりましたか?
『けいおん!』の頃に比べても、ホンマにありがたい話で増えたし。『けいおん!』の頃はそこまでツイッターって流行ってなかったと思うんですよ。
ああ、そうですね。
あくまで僕の印象ですけど『ラブライブ!』の頃に急にコメントが爆発的に増えた気がして。その流行に乗せて頂く感じですね、ホンマ。だからそうですね、『ラブライブ!』っていう大きい下駄を履かせて頂いてますわ。その辺は勘違いしないようにしてます、出来るだけ。調子には乗らないようにしてます。
(笑)。
うん。調子に乗ってる人大嫌いですし。
そうなんですね(笑)。
漫画のネタはどこから?
漫画を描く時に、どういう感じでこう、インスピレーション受けてるというか、ネタを思い付くというか。
まあ、色々ですけど。例えば……電車とか乗ってて、会話が面白かったりして。それをちょっと心の中のメモに、置いといて。その話を、ちょっと自分の中で広げて描いたりとか。道端歩いていて、拾う事多いですね。
僕の場合はなんですけど、1シーンをハッと思い浮かんで、その前後を考える、みたいな感じで。
はい。あ、それもあります、勿論。それも結構多いですね。
短編とかだと、そういうので、出るんじゃないですか?
はいはい。
長い漫画の時は、違う感じで描かれてるのかなあ、と思って。
長い漫画……あんま、僕基本的に10ページ位しか描けないから、アレなんですけど。あったかなあ、長い漫画?
「あかるいみらい」は30何ページ以上ありますね。
大半は短編を繋ぎ合わせた様な感じですけど。アレは完全に頭の中で作りましたね。勿論りっつんさんの元ネタが、元ネタっていうか、そのツイートがあり。それを自分の中で噛み砕いて、ずっと描き続けましたね。でやっぱりちょっと盛り上がりがやっぱ欲しいなぁって思って。後半はシリアスな展開になりましたね。
盛り上げるためにシリアスになっていくわけですか。
あのまま淡々と普通に、お店が成功しましたよりかは、やっぱりちょっと一波あった方がいいかなあって。 多分ああいうのって上手く行かないでしょ。近所でも、ああいうお惣菜屋ってだいたい1年くらいで潰れるし。
自分の漫画、ココがウリ
自分の漫画でここが好きとか、あります? ここがウリだ!みたいな。
何ですかね……? 何やろう。大体みな、何で俺の漫画読んでくれてるのか、未だによう分かんないですけど。
それは……
ホンマに。盛り上がりも無いし、地味やしで。うーん。
何ですかね、面白いからじゃないですかね。
ありがとうございます(笑)。
面白いっていう言い方も、ちょっと変というか失礼ですかね。
いやあ、まあ1番の褒め言葉ですけどね、面白いって。面白くない漫画はちょっと……ねえ(笑)。
そうですね(笑)。
何やろう?……何やろう……うーんまあ、アレですね。まあ……何やろう?(笑)。
聞いといてなんですけど、答え難いですよね。
いや、でも自分の武器を知ってはる作家さんって強いと思うし、大事やと思いますよ、それはすごい。逆にこんだけ茫漠としてる方がどうかしてると思うし。うーん。何やろう、自分の中の……。絵も下手やしなぁ。何やろう。全然個性も無いし……俺の漫画。
個性はあると思います。
そうですかね? 地味やし。で、華が無いから。俺逆に、イベント会場行ってこんな本あったら、手に取らないスよ(笑)。
地味かどうかは……。そうですか。
いや、だって地味やから(笑)。
どんな、じゃあどんな本買われるんですか?
華やかな漫画。
そうなんですか(笑)。
あんまでも、サークル参加ばっかりで、一般で最近参加してないから、アレなんですけどね。ツイッターで面白いなあって思った方のを買う感じで。現地ではなかなか見る時間無いんですよ。でもパッと見て、手に取りにくい、手に取らないって言われる事も多いんですよ。
あらま。
やっぱり全部手描きで、うーん。そう「せめてフォント入れろ」とか言われますよ。表紙でも、セリフでも。「それだけで見やすさが全然違うから、やれ!」「それで手に取って貰う機会少なくなってるよ」ってよく言われるんですけど、なかなか。
それは、残念ですね。
うん、残念……そうですかね。
うーん。
……好きなところ……自分の本、なんか……。
何ていうか、自分の絵が好きとかは無いんですか?
自分の絵が……まあ、もう、これしか描けないですからね。長く付き合ってるし。うーん。まあ……好きなんかな? 自分の絵やったら可愛いとか、あんま思わないしねえ。
(笑)。そうですか?
まあ下手ですからね。だからねえ、だから……逆に言ったら、さっきも言ったけど、よう1000人にフォローして貰ったなあって感じですよ。ホンマに。まあ高い下駄履かせて頂いてるなあって。ただ、漫画を描いてるのは多分自分の中で消化し切れていない感情があるからだと思います。
感想を
ずっと自分のウリ探してるんやけど、何やろうな?(笑)。
何ですかね、絵柄じゃないですかね? 僕は絵柄で買う方なんですけど。
絵柄ですか? ビックリ。
そういう感想とかは、無いんですか?
それ……は、まれに女の子可愛い!と言って貰える事がありますけどね。ごくたまに。
僕もそう思っているんですけど。
そう……ですか? ありがとうございます。
感想ってどんな感じで貰ったりします?直接会ってとか……
イベントの時に、前の新刊面白かったですよ!っとか言って頂いたり。あとツイッターとかで感想頂いたり。結構ツイッター多いですね。ホンマにありがたい話ですけどね。
なるほど。恥ずかしくないですか、ツイッターで言うのとか? 僕は書くのはちょっと恥ずかしいですよ。
そうですね、大体書けないですね、僕も。だから逆に言ったら、ようホントに書いて頂いてって感じですね。思っててもなかなか「面白かったです!」とは言えないんで。だからそれをツイッターでもなんでも書いて頂いて「良かったよ!」って言って頂けるのはありがたいですね。ホンマに冗談抜きで、感謝してますわ、それは。
最後に
最後にですね、読者へのメッセージを伺ってるんですけど。
もう、ありがとうございます、としか言えないですね。いやーホンマにこんな地味な作品……ホンマにこんな地味で、暗い漫画しか描けない人間を(笑)、本当にねえ。ツイッターで感想を言って下さる方も勿論やし。あの、手に取って頂いたりねえ。もう目に……あの、アレやもん、ツイッターでも観るだけでも1秒でもまあ、時間を割いて観て頂いてる方が居るだけでもう、ホンマに何ていうか、感謝ですね。ありがとうございます! フラストレーションがたまってて、これからも多分、しばらく描くと思いますので。もし、お時間ある時にでも見て頂けたら幸いです。あと、感想を頂ければ嬉しいです。
けんほうさん、ありがとうございました!