ペンネーム、サークル名の由来

sugar.さんは……、シュガーさんとお呼びすればいいのか砂糖さんとお呼びすればいいのか。

砂糖と呼んでください。呼びやすいじゃないですか。っていうか実は、自分でもハンネ変えたいぐらいなんですよ。sugar.っていうのが、中３の時にツイッター始める時につけたハンネなんすけど、全然いいのが思いつかなくて。自分、本名言うと佐藤なんすよ（笑）。まんまじゃねえかってアレですけど。だから砂糖でsugar.でいいやってなっちゃって。ただsugar.にするとめっちゃ被りそうだったから点入れとくかっつって。

だから「.」が入ってるわけですね。

しかもその時ガッチガチの中二病だったんで「入れときゃカッコイイだろ」みたいな。

サークル名「まいにち文化祭」の由来は。

工作するのがすきなんですよ。段ボールとかいろんな百均のもの使って。それでワーって、出来た時、部屋がめっちゃ散らかるじゃないですか。それの写真撮ってツイッターに上げたんですよ。そしたらフォロワーさんから「お前、まいにち文化祭だな」って（リプが）来て。その語感が好きで。いつかどこかで使いたいなって。サークル名を決めるってなった時にじゃあもうこれにするっきゃないって。でも今思うとエゴサもしやすいですし、いい感じです。自分の名前がsugar.でエゴサしづらいんですよ。結果的に良かったです。送ってきてくれた人に感謝です。ま、め論くんと伊織くんなんですけど。

ずっとツイッターで４コマを見てたので、長いこと描いているのかと思ってたんですけど、pixivのまとめで一番古いのが２０１６年１月で「あれ？　最近じゃん」って思って。

実は新参なんですよ。『ラブライブ！』で４コマ描き始めたのは確か去年の１２月中頃で。ワンドロでやり始めて。どっから話したらいいのかな。

絵を描き始めたのはいつ頃なんですか？

それも中三ぐらいで。ボーカロイドのハチさん、いま米津玄師さん。あの人が自分の中の大原点にあって。ネットサーフィンしてたら、ハチさんの「WORLD’S END UMBRELLA」って動画を見つけて。それまで音楽とか興味なかったんですけど、音楽の凄さと絵の凄さにめちゃくちゃ衝撃を受けたんですよ。今まで聴いたことのない音楽だったし、ま、そもそもボーカロイドだし。ハチさんの絵も独特すぎて。あんな絵、今まで見たことなかったからっていうので自分の中でも完全に新しいところがポンと作られた感じがして。初めて音楽聴いて鳥肌が立ったんですよ。もうむちゃくちゃハマりこんで。ハチさんの動画一日中聴きまくって動画も観まくって。それで、この人みたいな絵が描けるようになりたいなって。ずっとハチさんの絵の模写をやってたんです。それが絵をちゃんと描き始めた最初ですね。

pixivにも上げてますね。

その話はもう恥ずかしすぎて！！！　……あんな感じだったんですよ最初は。絵も人の骨格とかパースとかなんにも知らないまんま「ミクちゃん可愛いな～」って思いながら描いてて。それでできたのが、アレで。ハチさんもpixivやってたんで、ハチさんの絵が見たいから登録してたんすけど、自分も絵を描き始めたら投稿したくなって。それでやり始めたのがアレですね。最初はずっとあんな感じでした。それから段々絵を描くのが面白いなってシフトしていって、いろんな絵を描きました。その頃はミクじゃなくオリジナルが多かった。キャラクターじゃなく一枚の絵画みたいな。

ボカロ界隈から

僕らのラブライブ！13で出した「わいわいラブライブ4コマ一期（フリカエル）」が初めての本なんですよね。

なんで本出そうってなったんですかね？　『ラブライブ！』界隈に入ったのが一番でかいですね。今までボカロ界隈で生きてたんで。ハチさんの影響を受けてボーカロイドで絵を描き始めて、いろんな人のpixivで絵も見て。自分も作品をツイッターにちょくちょく上げるようにして。やってたんです。ほんと弱小絵師で。フォロワー百何十人って中で仲いい人たちとイラスト交換したりしてわいわいしてたんですけど、っていうのが去年の１１月までだったんですよ。１２月か。

ボカロ界隈ってキャラクターしかいないんですよ。あと音楽。だからミクとかの性格を自分なりに作って描くっていうのがボカロ界隈だったんですけど。アニメ原作の界隈に初めて入って。ひとつの作品とひとつの話をこういう風に消化してるんだってのがすっげえ面白くて。自分もこういう感じでやりたいって絵を描き始めて。一番デカかったのがワンドロに参加し始めたのが。そう、それでワンドロの存在を知ったんですよ。いろんな人が参加してるのを見て自分も参加したいって思ったのと、その頃にペンタブを買って。それまでずっとアナログでやってたんですけど。ペンタブを買って。でも買ったはいいんですけど全然使いこなせなくて。ソフトの使い方もわかんなくて。買って一回触って一週間くらい放置しちゃって。自分のバイト代で買ったのにこれじゃヤバいってなって。強制的に自分を描かせるなにかをつくるんなきゃって思って。その時にナタさんがやってた「１日１本（『ラブライブ！』４コマ）」あの形式いいなって思ったんですけど、でも自分三日坊主なんで。１日１本絶対無理だって思って。だったらワンドロで。ワンドロ決められた時間があるじゃないですか。１時間で絶対終わらせなきゃいけないんで。毎日やればペンタブには絶対慣れるだろうってことでワンドロに参加し始めたんですよ。それが最初。最初っから４コマだったのかな。

２コマとかもありますね。

２コマもありましたね。最初たぶんテキトーに４コマ一本作って。その次にイラスト一本描こうってなったんですけど、全然６０分じゃ終わんなくって。そもそも自分画力高いほうじゃないんで。６０分絶対無理だ。でも絶対ワンドロには参加したいからどうしようって思った時に。め論くんのワンドロ4コマを見つけて「これや」って（笑）。それまで4コマも好きで描いてたんで。だったら『ラブライブ！』の4コマでワンドロ参加して。やってみたら思いのほか反響がもらえて。いままで絵を上げてもファボがもらえるかもらえないかぐらいの。2ケタいったら舞い踊ってプリン買うぐらいの嬉しさで生きてたんで。その日にワンドロパーンって上げたらうわーって返ってきて。いろんな方からもフォローもらえて。それで舞い上がって嬉しくなっちゃって。これ毎日続けたいな。毎日チヤホヤされてぇなって（笑）。

ソフトは何を使ってるんですか？

クリスタです。で、反応もらえて嬉しくなって描き続けてたらいろいろ繋がりが出来てって。『ラブライブ！』界隈で。まさかこんなふうになるとは思っていなかったので。様々です。ワンドロというか。界隈の力です。『ラブライブ！』という作品にですね。作品にもうありがとうございますです。

『ラブライブ！』との出会い

『ラブライブ！』にはいつごろ出会ったんですか。

２期が終わったあたりで観始めて。人気っていう話を聞いて。友達にも勧め…られはしてないか。あっ違う。スクフェスを最初にダウンロードしたんや。スクフェスから入ったんや。ダウンロードして「かわいいなぁ、面白いなぁ」ってやってて「じゃあもうアニメ観ないとだよな」って１期観て。観たら「なんだこれクッソ面白ぇな」って１日２日で一気に観て。なんだこれおもしれぇなって２期も観て。気がつけば劇場版に足を運び。

いい感じにハマっていったんですね。

でももっと早く知りたかったです。もっと早く知っていたら。もっと早くこの界隈にいたかったですね。こんなに面白いところだとは思っていなかったんで。もっと早く知りたかった。知り合いの昔出した同人誌の話とか聞いてこんな面白い本出しとったんや！「欲しいです」「無いです」「ッあーっ！」って。こんな合同が出とったんや「欲しいです」「もう無いです」「ッあーっ！」。ってなってて。もっと早く知りたかった。

『ラブライブ！』好きな曲

『ラブライブ！』ではなんの曲がいちばん好きですか？

なんやろ。いろいろあるけど一番は「ノーブラ（「No brand girls」）」ですかね。あれはやっぱ楽しい。楽しいし、（アニメ）１期のあの展開が大好きなんですよ。それもあって。正直舐めてたんですよ。『ラブライブ！』１期を観る時に。アイドルって言葉があるからなんかな～、ただの深夜アニメだろって思って観たら、３話で一回ブチのめされて。「すげぇこのアニメ」って思って。一気にガッて観て。であの１０話１１話でノーブラがあって穂乃果ちゃんが倒れて結局ラブライブに出場できないっていうまさかの展開で。

ね。ビックリ。

ホントに舐めくさって観てたんで。まさかこんな鬱アニメみたいな展開がこんなふうにくるんだっていう、ので、アニメに対するスタッフさんの熱がガッと来て、このアニメすげえなってめちゃくちゃハマりました。そのキッカケの曲なんでノーブラが一番好きです。

ライブとかも観たんですか？

ライブはファイナルのライブビューイングだけですね。リアルタイムで行けたのは。知るアレが遅かったんで申し込みする余裕も機会もなかった。

ファイナルのライビュ行ったんですか。いかがでした？

泣きましたよ。ガン泣きでしたよ。「今が最高」ですね。それもアレなんすよね。山口に篭ってインターネットで絵を描いていたので周りにラブライバーが居なくて。

大学には居ないですか？

大学にもいるは居ます。でもやっぱり人数限られるじゃないですか。そんな大人数でワーッてする機会があんまりなかったんでどんなふうにラブライブ！が盛り上がってるのかなってのが身内でしか知れなかったから。だからライブビューイング福岡に行ったんですよ。どうせ観るなら大きい劇場でって。ファイナル当たらなかったんで。福岡行ったらわけわかんないぐらいのラブライバーがいて。そん時にはじめてラブライブ！の盛り上がりみたいなのを肌で感じて。やっぱこの作品すげぇなって思ったのもありましたし、ライブ自体にも感動しましたね。

「わいわいラブライブ！４コマ一期（フリカエル）」

ホントに自分が本を出すとは全然思ってもみなかった。

これ。１期ってことは２期も出すんですか？

いや、１期の話に沿ったから１期ってだけで。ナンバリングするとアレじゃないですか。もともと１期のほう買ってないと、ぱっと来て買おうってならないじゃないですか（笑）。

できるだけ新しいことをやっていきたいです。新しいことをやりたいってのもコンセプトであるんですよ。ＱＲのやつとか。

読み込んだら「９」って書いてあるやつですね。

誰もやってねえだろうと。誰かがビックリしてもらえたらいいなって思って。紙面でしか出来ないじゃないですか。あと読み返すっていうのも紙面でしか出来ない。一冊になってるからこそ伏線とかも張れるし。読み返させることもできるし。「うわー、どうなってたんだろう」。っていうのをやりたいなって思って。紙面だからこそ伝えられる。いつも（４コマを）一作ポンと投げてそれがウケるかウケないかみたいな勝負してる感じですけど、一冊だったら一度買わせちゃえば絶対読ませることができるじゃないですか。買ったんだから、１ページ目読んだから最後まで読むしかないみたいな。だろうなって思って。だったらもう暴力的にいろんなネタ仕込んで。伏線仕込んで。読み返させるように。やれたのがよかったです。

全部新作４コマですね。。

新作にしました。やっぱり新作のほうが嬉しいじゃないですか。っていうのがありました。高いじゃないですか同人誌って（笑）。自分があんまりその、手を出さないんで。自分がやってるくせにメロンブックスとかに行くと「高っけー」って思って。全然買わないから。っていう気持ちがあるから、自分の本を買ってくれる人が居たら５００円で絶対満足して欲しいなっていう。だからできるだけページ数も多くしようっていうのと、絶対満足してもらおうって思って全部新作にしました。でも実際（即売会に）参加したら５００円とかどうでもよくなりますね。

買っちゃいました？

むちゃくちゃ買いました。もう死ぬほど買いました。店頭で買うより安いじゃないですか。通販で買うよりも。っていうのと自分の好きな人ばっかだったんで。めっちゃ豪華でしたね。１３。自分の好きな人もたくさん出てて、この機会に買うしかないって思って。一番最初に買いに行って。自分のスペースなんてホント誰も来らんだろうって思って、身構えてたんですけど、思いの外たくさんの方に来ていただいて。お金が沢山入って。しかも丁度いい具合に５００円がどんどん貯まっていってて。「同人誌交換コインがこんなに沢山ある（笑）」つって。来たときよりも荷物が多くなりましたね。楽しかったなあ。

推しキャラ

推しキャラは誰ですか？

花陽ちゃんです。安定の花陽ちゃんです。信じれる。可愛っ。

なんでかよちんなんですか？

可愛いじゃないですか！　なんなんすかねー。あの魅力は。後輩属性で。ご飯いっぱい食べる元気な子でおっぱいが大きいってのが……。

おっぱいが大きい。

三大条件として自分の中にあって。『ひだまりスケッチ』ってわかります？　の宮子ちゃんが好きなんすよ。完璧じゃないですかあの子。後輩属性で、ご飯たくさん食べるしおっぱい大きいし。

おっぱい大きかったけな宮子ちゃん。

いやめっちゃ大きいっすよ。ヒロさんに次いでかな。大きいっす。っていうのがあって。もともと『ラブライブ！』観る前に『ひだまりスケッチ』観てたんですよ。で、宮ちゃんが好きで。『ラブライブ！』観たら「あれ、なんやこの子、後輩やし、ご飯めちゃ食べるし。めっちゃスタイルいいやん」。ドストレートですよね。でしかもみんなに守られてる感じがいいなって思うし。第一印象がその３点で。だんだん１周目２周目３周目４周目５周目って観ていく度に花陽ちゃんの奥にある芯の強い感じが見えてきて。どんどん引きずられていくかのように花陽推しになりました。

いいですね。

でもみんな好きですよ。で、りんぱなもいいですよね。りんぱなが好き。

まきぱなではなくて。

いやりんぱな勢なんすよ。もう。あの二人のやりとりがもう端から見てて。なんなんだろうこのステキ空間は（笑）。この二人一生見てられる。まきぱなも好きです。いやかよちんが好きだからかよちんのカップリングはもうほとんど好きなんですよ。その上でもりんぱなとまきぱなは好きで。でも一番好きなのは花陽ちゃんをりんまきで取り合ってる姿がわいわいしてて好きです。一年生組が可愛い。

サンシャイン観てます？　推しキャラはいますか？

善子ちゃんです。

なんで善子。

使いやすい（笑）。

そんな理由。

可愛いのと、なんだろう。親しみやすい。一番最初の、サンシャイン発表！　ビジュアル発表、自己紹介ってなって。いっちゃん親しみやすかったのが善子。で善子好きやな～ってなったらもうそのまま善子推しになりましたし。なんか……可愛いっ♪　可愛いっ♪に集約されるな結局。あと漫画描くにあたっては梨子ちゃんが一番描きやすい。

真面目だから、ツッコミだからですか？

ツッコミキャラだから一番出しやすいですね。いつもの４コマでも穂乃果ちゃんが一番多いんじゃないかな。ツッコミさせやすいし。できるだけ強い言葉を言わせても。あんまり花陽ちゃんに強い言葉を言わせても、キャラクターの雰囲気として合わないので。「なんでだよ！」って言えないじゃないですか、花陽ちゃんに。言わなそうじゃないですか。穂乃果ちゃんなら「なんでだよ！」って（笑）。梨子ちゃんとか。

梨子ちゃん言いそう。

扱いやすいですね。っていうのを考えると喜子も扱いやすいですね。っていうので描きやすいですし。

中の人で推しはいるんですか？

声優さんは、久保さんは追っかけてます。花陽推なんで。久保さんは好きですね～。本当はみんな追っかけたいんですけど、追っかけるの大変ですね。ラブライブだったらラブライブを追っかけてれば、声優さん関連も追っかけられたんですけど、声優さんを追っかけるってなるとそれぞれの事務所のオフィシャルホームページとかチェックしないといけないからもうこれ無理だなって。最初はうっちーとかそらまるとか追っかけてたんですけど、だんだんもう追っかけられなくなってきて、結局久保さんだけになって。サンシャインはまだ声優の推しは決まってないですね。あいきゃとキングが好きですけど。歌でいったら最近南條さんもすごい好きですね。

そういえば、わいわいラブライブ！４コマというのはなぜわいわいなんですか。

ワンドロで上げてて、わいわいつけたのいつだろう。７月？　すごい最近です。何作目ぐらいだろう。９０作目ぐらいから？　あたりにつけました「わいわい」。それまでずっとなんも題名つけないで出してたんですけど、一回どれだけ自分が作品上げとるんやって気になって。何十作品、８０～７０？　そんぐらいあって。そろそろなんか「その３」とか「その３０」とかつけてもナメられないだろうって気になってきたからじゃあナンバー出そうかって思って。それに付随してナタさんの「一日一本」とかめ論くんの「勢いの」とか、そんな感じでつけたいなと思って。でも全然ネーミングセンスが皆無だったんでどうしようかなって思った時に「わいわいでいいや」って。わいわいしとるやろって（笑）。わいわいって言葉が好きだったんで。いいじゃないですか「わいわい」。ゴリ押しなんですけど。

pixivを見るとその８２でついてますね。「わいわい」。

あーほんとだ。その前はまとめですもんね。８２でつけたのか。つけましたね。わいわい、したかったんです。

石油王

（上のイラストを見ながら）あー！　石油王が。石油王がおる。あの……石油王は様々ですよ。（石油王の４コマを描く）この前まで４００フォロワーだったんですよ。

えっ、急に増えましたね。

ひと晩で８００人増えて。

すごい。

そうなんすよ。それまで４００人だったのが。４００人フォロワーのお絵かきマンとしてずっと描いてて。で、そん時にフォロワーさんからお題を貰うみたいな企画で。貰って、そん中に石油王があったから描くかってなったんですけど『ラブライブ！』で思いつかんかったからオリジナルでいいやって思って石油王の４コマを出したら自分でも信じられないくらい２万リツイートぐらいなってビックリ。ホントにビックリですよ。……ホントにビックリして！！　なにが起こったのか全然わかんなくて。ありがてぇありがてぇ～って言ってたらいろんな人が見てくださっていろんな人からフォローいただいて。それを皮切りに『ラブライブ！』同人界隈の方々からフォローいただいて。そっからまた一歩インターネットのお絵描きしてる人から、本出してる人の世界、界隈に入れてもらうことが出来て。だからホントに石油王様々ですよね。それでまた自分のモチベーションも上がって。周りから石油王の人って呼ばれるぐらい。石油王おるって言われるぐらい。

そんなに反響があったんですね。

めちゃくちゃありました。代表作みたいな。石油王は確かpixiv上げてなかったと思う。様々ですね。アレきっかけで知り合えた方がたくさんいるので。いろんな人に石油王の人って憶えてもらえましたし。アレで自分のやってることが周りにも面白いって思ってもらえてるんだって。自信ないまんま絵が好きっていう気持ちだけでやってて。ただホントにこれが端から見て面白いかってのは自分しかわかんないじゃないですか。あとはファボの数でしか測れない。ほんとに自分のやってることが面白いのかなってのはずっと不安があって。でも石油王がアレだけウケて、自分のやってることが面白いと思ってもらえるんだっていう自信につながって。アレ以降自信持ってワンドロ参加できる。その時から自分が４コマの人として、そんな感じで。４コマを武器として戦えるようになりました。武器として扱えるようになりました。で、今に至ります。あの時にそれだけの自信が得られなかったら本出そうとも思ってなかっただろうし。

ホントに石油王様々ですね。

ソレ以降の全ては石油王様々なんです。Ｔシャツも作りましたし。アレに関してはありがたいのひとことです。全部のキッカケになりますね。

お題を出してくれた方に感謝ですね。

はらこっぺって言うんですけど。あの人が「石油王」ってお題を出してくれて。ありがてえな。

描き方

４コマはどんな風に描いてるんですか？　手順といいますか。

なんて描いてるんだろう。うーん。ドラマかなんか見てる感じですね。ドラマみたいな……。例えばワンドロでお題が出て。「今日のお題は～の曲です」って出たら、μ’sちゃん達が部屋、部屋っていうか、いて、この子達にどう動いてもらおうって。キャラクター達が住んでるっていうか。部屋っていうか世界の中に居て、この子達にどう動いてもらおうかなって考えて、動いてる様子がバーって動いてるのが流れてて、コレ面白いなって、引き取ってく感じ。

へー。アニメで出てくる感じ。僕はだいたい一コマがパって浮かぶんですけど。

あー。わかりますわかります。１コマだけ思いついてっていうのはあります。なんか面白いオチにくるような。「これは～かよ！」みたいな。のが１ページ１コマとしてパッと出て、それに繋げて起承転結作ろうみたいなのもありますし。でも多いのは頭のなかにアニメ、アニメっていうか住んでて！　でそのキャラたちがわいわい遊んでるのを、ひとつのお題を出して、お題の縛りの中でキャラクター達が遊んでるのをその中から引き取ってくる感じです。で、それを二転三転面白くするためにはっていうので、１コマだけパーンってのが入ってきて。それが組み合わさって４コマがひとつ出来ます。だからアレなんすよ。ナタさんやめ論くんみたいのが作れないんすよ。もともと面白いみたいなのが。キャラクターそれぞれの味？　味っていうかあるじゃないですか。ナタさんとかもそれの典型で。ナタさんの描く凛ちゃんとか。もうアレ、ナタさんのキャラクターじゃないですか。ラブライブのキャラクターというよりナタさんのキャラクターじゃないですか。それぞれのキャラクターに味がありますし。め論くんの「ふぐ凛ちゃん」もそうですし。アレもラブライブのキャラクターというよりもめ論くんのキャラクターじゃないですか。でも彼も自分の世界で戦ってる感じがあって。もうブランドみたいな感じがあるのがすげえ羨ましいなって思って。それが出来なくて。どうしてもアニメの中のキャラクターが頭の中で動いてるので、それを引き出してくるとなかなか自分の色が出せないっていうのが、最近苦戦してます。

嫌な気持ち

自分の漫画のココが好きみたいのあります？　自画自賛っぽいですけど。

あんまりココが好きってのはないっすね。自分がやりたいからやってて。絵を描くっていうのが、なんだろエゴ？　自分のエゴっていうのか。そもそもハチさんに影響を受けて、オリジナルで一枚描いてたって時期は、ぜんっぜん楽しくない絵を描いてて。

楽しくない（笑）。それは描いてて楽しくないってことですか？　見てる人が楽しくないってことですか？

見てる人が楽しくない！　っていうか、見てる人が嫌な気持ちになればいいなって思いながら描いてた。

まあまあ、それはそれは。

自分の中の嫌な気持ちっていうか、高校生時代、思春期特有の鬱憤みたいなのを絵にぶつけたくて。見た人がなにか感じ取って嫌な気持ちになってくれればいいなって思って。アーティスト気取りで。絵を描いてたんですよ。で、だんだん自分の中で嫌な気持ちの処理の仕方がわかってきて。絵にぶつけなくても別に大丈夫ってわかってきて描かなくなっていったんですけど。でもその気持がまだ自分の中にあるから。っていうのと自分の気持ちを誰かと共有したいって気持ちがずっとあって。もともと友達が少なかったんで。あと田舎の学校だったんで人脈も少なくて、自分の気持ちをぶつける場所っていうのが、あと共有してくれる人っていうのがいなくて。それを絵を媒介に誰かに発信できないかなっていうのでツイッターに絵を上げるのにハマってたんですよ。

なるほど。

もし自分の楽しいって思ったことが、誰かと共有できたらいいなっていう。友達が少ないから（笑）。誰かとわいわいしたいって気持ちが、あるから。それで描いてます。ので特にコレ（自分の絵）が好きってわけではないですね。自分の道具みたいな感じ。誰かと一緒にわいわい出来たらいいなっていうためのお菓子みたいな。みんながワーっている中に「このお菓子持ってきたけどみんなで食べない？」みたいなそんな感じです。

いい表現ですね。

ぴったりな表現だなって今言ってて自分でも思いました。「お菓子作ったんだけどみんなで食べない？っていうあの気持ちです」。あっ、それだ！　ずっと考えてたことの答えが出ました。なんで描いてるんだろうっていう。それですね。それですよ。お菓子作りが楽しいっていう。だから同人誌即売会はすごい楽しかったです。自分の作品を楽しいって手に取ってもらえて。目の前で読んでもらえて。感想も言ってもらえて。ネットを介してやりたかったことが、いきなり三次元で目の前で起こって、頭がどうにかなりそうです。

好きな漫画

ところで、漫画読みます？　好きな漫画家さんなどいますか？

一番好きな作家さんは浅野いにおさん。『ソラニン』『（おやすみ）プンプン』大好きです。あと奥浩哉さんの『GANTZ』。『ソラニン』と『GANTZ』は自分の人生のほとんど、青春のほとんど占めるんじゃないかってぐらい大好きな漫画です。大好きなんすよね。『GANTZ』の世界観とバトルがアツい。あと人間の嫌な部分を全面に押しだした作りが大好きで。浅野いにおさんも、人間のどうしようもない部分。やらなきゃいけないんだけどめんどくさいから出来ないみたいな。人間の生活感あるんだけど悪い部分みたいなのを描けるってすごいですよね。って思って『ソラニン』を読んで、一気にあの人の世界に浸らさせられて。全部読みました。大好きですね。あんな漫画が描きたいですね（笑）。重っくるしいのが大好きなんですよ。

意外。

こんなわいわいしたの描いてるけど。ホントはシリアスな人間の悪い部分を描いたどうしようもないような漫画が大好きで。なんだろう人間を真面目に、真面目っていうか。人間を描いてる作品が好きです。人間ちゃんとひとりを、なんか、なんだろ、人間として描いてるような。ものが好きですよね。なんつったらいいんだろう。『ソラニン』っていうとだいたい通じると思う。

ああ。

あんな感じの。「この人だからしょうがないよな」って思わせられる、そんなマンガが好きっす。ああいうのが描きたい。

自分に影響を与えた漫画ってのは。

それも『ソラニン』です。アレです。アレからアレってのがなかなか想像出来ないと思うんですけど。

『ラブライブ！』以前の絵柄がハチさんの影響を受けているのはわかるんですけど。

あー。パクってるんでほとんど。

これは４コマ用に作った絵だってのは先程聞いたのですが、誰かの影響というわけではないんですね。

どっからなんですかね。ホントに作ったって感じがありますね。どっから影響を受けたって感じはなくてこのために。どっからやろ。でもよくある感じじゃないすか。この感じは。無個性だとは思うんですけど。あでも『ひだまりスケッチ』好きなんで。そこら辺からはあんのかな。無いかもしんない。

『ソラニン』の影響は直接は見られないように見えますけど。

キャラクターを大事にしようって意識みたいなのは、漫画を描くにあたって描き手として影響を受けたってのは『ソラニン』から生まれてると思う。あんな風に描きたいって思ったのが、心の中にどっかあるので、キャラクターは大事にしたい。のはあるな～って思うんすけどなかなかそれを表に出せないから。こういうギャグでやってると。ついぞんざいに扱っちゃうから。もしくはその意識がどこかでブレーキ掛けてるんですよね。ギャグに勢いをつけるために。

シリアスは描かないんですか？　「わいわいラブライブ4コマ一期（フリカエル）」の最後はシリアスっぽいですけど。

昔はシリアスで描いてたんですけどね。そのpixivに上げてた漫画「コミニュケーションシミュレーター」ってのが高校生ぐらいに描いたのが。あるぐらいですかね。世に出してるシリアスは。ただそれもこれと同じ夢オチみたいになってるんで。あとは４コマまとめのその２の最後の方に結局描き上げられなかった凛ちゃんが鬱になる漫画が載ってると思うんですけど。そこら辺はもう殆どハチさんの影響です。これがたぶん描いたシリアスのやつで、自分に友達が少なさ過ぎるっていうのがコンプレックスでそれをどうにかしたくて描いた本です。

あっ、でもこのこん頃からこの絵なんや！　すげぇ。じゃ作ったわけじゃなくてなんかあったんや根底に。

へー。あっ描き込みもすごいしてる。

はい。こんぐらい描き込みます。もともと描き込んでる絵が好きなんで。いつも。一枚絵とかだと描きます。ただ４コマだと描き込んでたら面白くない（笑）。集中線とか感情線がメインになっちゃうじゃないですか。４コマだと。だから場所さえわかればいいかなと思ってわざと背景は消してます。

映画

趣味について伺ってるんです。

映画鑑賞です。

どんな映画ですか？

好きな監督は日本アカデミー賞を取った、『パコと魔法の絵本』『下妻物語』とか、湊かなえさんの『告白』映画化した中島哲也監督。最新作は『渇き。』。よければ『告白』観てください。中島哲也監督は人間をすっげえ考えて作ってる方なんですけど、それにも増して映像効果っていうので力入れてる方なんですよ。

『下妻物語』と『パコと魔法の絵本』は観たことがあります。ポップですよね。

そうなんですよ。嫌なほど、毒々しいポップなんです。『告白』はバッドエンドのすっげえ暗いストーリーなんですけど、あのポップな感じは入ってくるんです。すっげえ嫌なシーンなのにカエルがピョンピョン出てきたり、ふざけたようなシーンをワザと入れてきて、嫌な気分なのに楽しい映像観せられて更に嫌になるんですよ。そういうのがうまいなって思って、面白いんで、よければ是非観てください。

観ます。

めっちゃ好きです映画は。下手したら年に８０～１００ぐらい。月１３ぐらいは観てましたね。多い時は。映画いいっすよね。

洋画も観ます？

五分五分です。でも好きなのは邦画ですね。邦画のほうが、漫画のときと似たような話になりますけど、人間をちゃんと描いてる感じがして。映画の面白いところって、フィクションの人間が、生きてるところなんですよ。漫画だと誌面で、二次元でしか生きてないからそういうキャラがいるんだろうなって世界の話なんですけど、映画だとフィクションのキャラクターが実際に三次元で動いて存在するので、でまたその人が過去に背負ったものが滲み出るように演じてるじゃないですか。だから映画ほどひとりの人間を突き詰めたものはないなって。だから面白いなって。よく観ますね。どういうことを考えてこの脚本に至って、どういうことを考えてこの人はこの役を演じて、どういうことを考えてこの話になったんだろうなって考えると、映画ひとつ作ることに対してのパワーみたいなものを受け取ってる感じがして。

映画を作ったりはしないんですか？

作りました。

やっぱり。映画を好きな人は映画を作るんですね。

はい。

それは映研とかでですか？

そうです。そうです。映画研究会入って。それも楽しかったっすね。

じゃあ脚本も書いて。

脚本は書かなかったです。脚本はもう上手い人がいたんで。昔劇団で脚本やってたみたいな。

では何をやったんですか？

撮る側です。カメラワークのほう。絵を描いて、コマ割り、コマ割りじゃねえや。カット割りとか。描いてカメラワークとか。

撮影ってことですか？

あれ実際に作る側になると考えることが多すぎて、プロってすげえなって思いました。素人が作ったペーペーなんでどうとも言えないですけど。実際にやってみると、場所の移動あんまり出来ないんで、撮りたい場所を一気に撮ったりするんですよ。だから一回最初に撮ったとこは、最初のシーンと最後のシーンを一回で一気に撮ったりするんですよ。最初のシーンを撮って、その数十秒後に最後のシーンを撮ったり。その移り変わりの時に地続きでやってて役者さんも大変だなって思ったり。あと映画観てて同じ場所が何回も出てくると、纏めて撮ったんだなとか。あと映像的にも飽きさせないために寄りと離したのとか、俯瞰とアオリとか。いろいろ駆使するんすけど。一流映画だとそれがどうなってるのかわかんないぐらいですけど、たまにＢ級映画とか、観ると「ココって本で読んだあの手法を使ってるな」、そういうのわかってすごい楽しいですよ。でもあんまりカメラの技術の方より、脚本に惹かれますね映画は。人間がちゃんと描かれてるのが（笑）。人間が好きです。

さっきも言いましたね。

人間が好きです。人間が表現されてるものが好きです。映画に限らず。人の人生のワンシーンを２時間で描くっていう。

好きな音楽

音楽などは聴かれます？

それはもうアレですよ。米津さんですよ。音楽はわりと好きで、ＪーＲＯＣＫが好きで。それは米津さんがメジャーに上る前から好きで、RADWIMPSとかBUMP OF CHICKENとか、マキシマム ザ ホルモンとか。あとThe Mirrazってのがいつも聴いてるやつですね。『ソラニン』聴いてギターもやろうって思ったんすけど。友達から借りて、もうこれ俺には出来ねえわって（笑）。絵を描くほうに専念するわって。音楽もアレじゃないですか。アーティストのことをずっと追ってると、アーティストに彼女が出来たり別れたりすると曲の雰囲気って変わるんですよ。面白れえなって。付き合ってる最中は＜この世は最高ＢＡＢＹ＞みたいな曲のノリなんですけど、一回別れて別の彼女とかに移ると、＜あの時の君はよかったよ＞みたいな曲が出てきたりして。インディーズのバンド追ってるとそういうのが顕著に出てきたりしてすげえ楽しいです。

そういうものなんですね。

最後はみんな＜愛っていいね＞って悟りをひらいて。で、メジャー行くか落ちるか。

落ちるか（笑）。

っていうのを考えると、音楽もバンドを‭作ってる人の人生が見えていいですよね。

そこに繋がりますか。

音楽ひとつにしても人間が表現されているので。好きですよ。人間が好きですね。

人間……

人間なんだよな……。人間になりてぇ。

まだ人間じゃないんですか？

まだ人間じゃないです。

じゃあなんですか？

妖怪かなにかじゃないですか？

好きなアニメ

アニメとか観ます？　好きなアニメなどあれば。

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』です。あれはもう１話の衝撃で、初めてアニメ観て唯一泣いた作品。唯一というか、ガン泣き。気づいたら泣いてたレベル。しかも涙も止まらなくて。観終わった後も止まらなくて。元々涙腺硬いんすよ。全然泣かないほうだったんすけど『あの花』観て。わけわかんないくらい。人生で初めて映像見て泣かされて。

映画を好きで観てるのに。

映画観てるのに。泣いたことそれまで一回もなくて。『あの花』観て、ガンガン泣いて。人ってホントにフィクションの映像を観て、しかもアニメで泣くんだって思って。もうそれ以降涙腺ガバガバになりました。それ以降わけわかんないぐらい泣いてますね。だからもう足向けて寝れない。頭上げることも出来ない。大好き。『あの花』に関しては。逆らえない。あの作品には。もうホント綺麗。美しいアニメだなって思いました。

花火上げて消えなかったじゃないですか。アレなんなんだろうって思って。

あそこがまた。あそこがまたまた一転ニ転させられてもう。実は花火を上げることが目的じゃなかった。めんまの本当の願いを知るために１１話を使って。うまいな～。完全に花火のことだと思ってたから。うまいな～。二転三転させられて、それでまたメンバーが一回集まってたのにまたバラバラになり始めて。更に不安にさせられて。最後大団円で。更に劇場版で観て泣いて。

よかったですね。

『あの花。』はホントに好き。今まで他の観て一回も泣いたことないのになんでアレは泣けたんだろうって不思議はありますね。やっぱり人間描いてる作品好きです（笑）。

「人間」ね。そこに行き着く（笑）。

キャラクター大事にするのって大事ですね。そこはいつも意識したいんですけど。

sugar.さんのオリキャラでは、石油王がいますけど。

石油王は痛め尽くします（笑）。キャラクターを大事にしている漫画は強いと思います。

最後に？

最後に読者へのメッセージ的なものを伺っているのですが。といっても僕も訊かれたら何喋っていいか困るので、訊くのが忍びないのですけど。

じゃあからすまさん、最後に読者にメッセージを。

僕がメッセージですか？　そうだなあ……。真面目なので言うと……。

真面目なのでいいんですか？

はい。読者の方へは、読んでくれてありがとう。あと、掲載している作家さんには、引き受けてくれてありがとうございますですね。

なるほど。

いやあ、言うことがないですね。不真面目なので言うと、僕はサークル「さとうのまち」として漫画を描いてるんですけど…………やっぱやめとこう。真面目キャラでいこう。sugar.さんはなんかあります？

からすまさんが言うことですか？

えっ、僕が言うこと。

を一緒に考えましょう。

おかしいでしょう。それは。

「インタビュー見てくれてありがとうございます」。

それは本当に思ってます。

「このインタビューを見て、みなさんの今後の活動に活かしていただければ、いいと思います」。

でも、本当に自分の訊きたいことを訊いてるだけだから、それが「参考になります」とか思ってもらえたら、嬉しいですよね。それは本当に。

書いてる人の喜びですよね。

読まれてるのか、不安ですけどね。

はい、僕のはもういいので、sugar.さんからこれを読んでる読者へメッセージなどあればお願いします。

最後になんかあるかなー。なんやろ。でも言いたいこと殆ど言ったんだよな。たぶんまだまだ新参なんで、活動していこうと思うんで、よろしくお願いします。